【職レポ】豪華客船で船舶調理師をしていた話【後篇】

さて、後篇では前編【職レポ】豪華客船で船舶調理師をしていた話【前編】 - tapi-tibiの日記よりももっと深堀していった内容です。

 


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年収

もちろん陸でも会社によって給料が異なるように、船によっても多少ばらつきはありますが、平均的な年収で表記します。

 

平均
  • 船長(船のトップ)                           約1000万〜
  • 航海士                                              約600万〜800万
  • 機関長(船の機関部のトップ)       約800万〜
  • 機関士                                              約600万〜800万
  • その他部員(コック長etc..)           約350万〜600万

 

大体このような感じです

まれにネットでもっと年収が高い人がいたりしますが

このような人は大抵外航船と呼ばれる船で働いている人です、つまり海外を主に走る船のことです。

言うてしまえば、超絶エリートです!

 

実際の給料

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前編の勤務体系でも書いたのですが

数ヶ月働いて1.2ヵ月の休暇が主となっています

では、その休暇の給料はどうなってるの?と言う話なのですが、もちろんしっかり貰えます!

 

ただ、私の船では基本給が低く設定されていました、なので、休暇中は基本的には基本給のみの給料なので低いのですが、その分勤務中の手当が物凄かったです!

 

例えば、残業代はもちろん、船乗り特有の航海手当や夜間手当、更には有給消化が出来なかった分は1日1万円〜買取の制度があったり、とにかく凄い!

 

まる1ヶ月休暇とまる1ヶ月仕事の月はだいたい15万前後の差がありました。

 

新卒一年目の給料はズバリ、、年収300万円ほどでした

この中にはボーナス2回分が含まれています

更に1年、2年と経つ事に毎年、1万円近い月給の昇給があります。つまり、年収が必ず10万円ずつ上がっていく計算です

 

船乗りになるということ

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ここからは、実際に働いてみての船乗りになって良かった事と、ここは残念だったことを書いていきます

 

魅力

私が船乗りになる前に感じた魅力

  1. 国内、国外色々な所に行ける
  2. 高い給料
  3. 長期休みがある

 

主にこの3つです、実際、私は港のある都道府県は全て網羅しました、中には、行くのにもお金や時間がかかって友達との旅行では行けないような所にも行きました。

例えば小笠原諸島屋久島、その他離島全般です。

わずか20歳でここまで日本を回ったというのは珍しいのではないでしょうか、とても貴重な日々でした。

 

長期休みがある。これは社会人になれば夢のようなことですね、調理師なら尚更そう思います。

1ヶ月〜2ヶ月、短くても2週間は連続休暇なので、私は休みの度に海外に遊びに行きました、もちろんその間も給料は発生しますし、途中で仕事に呼ばれることはないので、ほんとに自由な旅でした。

そのおかげで1年の体感は一瞬に感じました。

 

メリット


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こちらは、実際に船乗りになってから感じた魅力、良かった事を書いていきます。

 

  1. 人間関係、毎日パーティー
  2. 自分の時間がきちんと取れる
  3. 健康面が完璧
  4. 素晴らしい景色
  5. お金が貯まる

 

まずは、狭い船内での共同生活ですので、すぐにみんなと仲良くなれます!それも日本人だけではなく一緒に働いていた外国人も含めてです。今でも連絡を取り合う仲です。

更に、船乗りは酒呑みが多かったので、毎日誰かが呑み会をしていましたし、外国人はパーティーが大好きでしたので、なにかイベントがある度にピザを頼み、カラオケやお酒などで盛大に盛り上がりました

 

だからと言って、もちろん強制ではなかったので、1人になりたい時は自分の部屋でテレビをみたい映画をみたり、ただひたすら寝たりしていました。

 

健康面が完璧。というのは、3食きちんとついてきますし、休憩が長く、出勤時間はほぼかからないのできちんと寝れます。更に、従業員用にジムが完備されており、私はほとんど毎日仕事終わりに利用していました。

 

基本的には船に全てありますので、お金が掛からないです、お金を使うシーンがあるとすると、寄港地に降りて、自分や家族、友達にお土産を買ったりするくらいでした。

更に、半住み込みなので家賃がかからないので実家暮らしの方は乗船中は0円生活できちゃいます。

 

デメリット


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ここまでを見ると、船乗りってめっちゃいい仕事だと思う方もいらっしゃるかもしれないですが、もちろん働いてからでしか気付かないこともあります。

 

  1. 刺激がない
  2. 閉鎖的空間
  3. 大切な人に会えない
  4. 電波が不安定

 

1年目はもちろん全ての寄港地、毎日の船からの景色が全て新鮮でした、しかしそれが日常になってしまうと段々と刺激がないようにおもい、引きこもりがちになってしまいます。

 

陸で働いている方は、仕事終わり、休みの日、頑張れば毎日でも友達や家族、恋人に会えます、もちろん辛いことがある時は誰かに会って、話を聞いて欲しいものです。

逆もありますね、友達が困っていたり相談があれば直ぐにでも会いに行きたいと思います。

それが出来ないのが船乗りの宿命

 

海の上で働いていると、必ず電波があるということはないです、今日は電波がある!という日でも1本や2本、みんな初めは必死に電波を拾うのですが、途中で諦めます。電波がない日々に慣れてきます。

ただ、どうしても連絡をとりたいときに電波がないとなると虚無になります。もどかしいを超えて虚無。

 

気付いたこと


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1番大切なことに気付いたのは初めて乗船が2ヶ月以上になった時です。初めのうちは元気があるので寄港地に遊びに行ったりしたのですが、どんどん睡眠を欲してきます、そのうち引きこもりがちになるのですが、ここからです

どんどんとやつれていきます

ここからは推測なのですが、引きこもりがちになると基本的に船の外から出ないので日光が浴びれないです

3日浴びないと心が病んでいきます

こんなこと普段陸で働いてると気付かないです

精神の安定は大事です、陽の光を浴びましょう。

 

まとめ

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以上前編と後篇で船乗りの実態についてと私の経験上の発見を書いてきました。

これを見て少しでも興味を持った方がいらっしゃると嬉しいです

まだまだあるのですが、それはいずれ小出ししていこうと思います

 

船乗りは素晴らしい!

 

前編を読んでない方は【職レポ】豪華客船で船舶調理師をしていた話【前編】 - tapi-tibiの日記こちらを是非!